trussユーザー事例紹介(株式会社安藤・間様 vol.1) henmi

従来の設計業務のフローを変えず、“圧縮”するtruss

 株式会社安藤・間 東北設計室 松本透子さんはトラスとの協業プロジェクトに参加。設計者視点でtrussの建材選定・管理機能の開発にアドバイスを頂き、現在も意匠設計者としてtrussを活用中です。

 松本さんにとってのtrussは、従来の業務フローを変えずに業務圧縮することで時間短縮やミスを減らすツールとのことです。


株式会社安藤・間 東北設計室

松本 透子 氏

入社後マンションを設計する部門に配属。複数のマンションの設計を行った後、ホテル/ 大規模倉庫 / 乳飲料の工場など様々な用途の設計を担当。途中自身が設計したホテルの現場監督や、スタートアップとの協業のオープンイノベーションも経験し、現在は東北支店でリニューアル物件の設計などに従事。


これまでの設計や現場での経験の中で、建材に関して印象に残ったエピソード

松本 マンションの設計時は様々な部屋の天井や壁で異なるクロスを使用し、管理が大変でしたね。
発注者とメーカーショールームを訪問し、30枚以上のクロスのサンプルを取り寄せました。クロスのサンプルに部屋名や決定の印を記載し、Excelで品番管理を行いましたが、品番入力ミスやマテリアルボードへの提案資料の貼り間違えが発生しないよう細心の注意を払った記憶があります。
 乳飲料の工場の設計では、食品成分・耐荷重性・薬品の種類や熱水使用の有無により使用可能な建材が異なり、特性に合わせた床材の選定が必要でした。当社の技術研究所メンバーとメーカー技術担当者とコミュニケーションを取りながら、各部屋で床材・断熱・防水・巾木の巻き上げを決定していきました。他にも改修時の留意点など細かく施主に説明して承認を頂きました。
 製品の廃盤情報の把握も課題があると感じています。廃盤の製品で承認を得てしまい、在庫をかき集めてなんとか竣工に至ったこともありましたね。

建材の情報収集や学習方法

松本 現場で見て覚えることが多いです。他にもメーカーショールームへの訪問や当社のメーカー担当者へもいろいろと教えてもらいました。プライベートではオープンハウスなどにも参加しています。ビルディングタイプによってはオーソドックスな材料の組み合わせがあるので、それらを理解し慣れ親しむことも意識しています。


trussの建材・管理機能、開発協力の経緯

松本 当社がオープンイノベーションによるDX推進としてスタートアップとの協業を募り、trussが採択されました。私は意匠設計とイノベーション部兼務という形で、trussへの提案と社内展開を考えました。
 マンションのクロス管理の経験から、製品選定と正確な記録を残すことは設計業務の中でも比重が大きく、設計者共通での課題だと思いました。また、クロスの変更の度に複数のパースで使用する画像を変更することも大変な経験でした。
採択時のtrussには既に建材の横断検索があり、設計業務の建材に関する課題を解決する土台があると感じました。web上で建材を横断検索/比較し、選定した情報で仕上表やマテリアルボードなどの提案書がそのまま作成できる。合わせてBIMへ材料情報を連携し、画面上で部屋のイメージ変更も一連の流れでできれば、劇的に業務を効率化できると期待が膨らみました。
 また、当時はExcelで仕上表に文字入力、Illustratorでマテリアルボードに表題欄の作成・画像の取り込みと加工を手作業で行っていました。非常に時間がかかり記載ミスの原因にもなっていたので解決したかったのです。
 構想を基にtruss開発チームとディスカッションを重ねて、建材選定・管理機能のデモ版が完成しました。材料や製品を選定すればExcelの仕上表やマテリアルボードが同時に完成する仕様で、操作感も満足のいく仕上がりになりました。
 実物件でtrussの仕上表とマテリアルボードを作成して、施主とtrussの画面を使って打ち合わせと編集を重ね、truss開発チームにフィードバックをしました。例えばパースや図面資料と、trussの製品画像を同時に見せることで施主の認識も深まるのでは?と思い、truss開発チームにフィードバックして、部屋への添付機能とマテリアルボードの印刷機能が追加されました。自分の提案で、trussが整備されていくのが分かりました。
 実物件の使用を通して、trussは業務を効率化できるサービスになりました。以降の携わった設計業務では建材管理は原則trussで行っています。

trussのマテリアルボードは、製品情報と画像が一覧で確認できる
松本さんのフィードバックによって、図面情報の添付と印刷機能が追加された

業務でtrussを有効活用

松本 現在は在宅勤務が多く、建材を調べるにはメーカーのwebカタログを使用する機会が多いですが、早期に提案を求められる場合はtrussを使用しています。
 設計初期提案時は、trussから仮の品番でマテリアルボードを作成し、それをもとに施主とディスカッションをしていきます。その後、カタログやサンプルを元に詳細を絞り込んでいくという流れでもtrussを利用しています。
 現場での確認や説明にtrussを使うことは多いです。現場に搬入された材料は、品番を記入したExcelとサンプルでチェックしており、管理やすり合わせが大変と感じていました。trussはタブレットPCでも使用できて、目で見える画像と品番がセットになってるので、場所を問わずにどこでも材料の確認や説明、変更作業ができます。


従来の業務を圧縮するtrussの建材選定管理機能

松本 Excel管理からtrussへツールを変更しても業務フローの変化はありませんでした。むしろ後工程にかかる負担が劇的に減ったと思います。truss開発チームに、設計者視点で「業務フローが変化無く、圧縮される」のが望ましいと伝えたことが、しっかり反映されていると思います。
 trussを導入後の業務フローは、trussが持つ建材データベースから建材を選定すると、自動的に品番情報と画像が入力され、truss上でマテリアルボードが作成されます。竣工図書や設計資料としてのExcelの仕上表もtrussから書き出すだけです。従来はExcelやマテリアルボードを個別に作成していた為、転記の回数が多く、どれほど気を付けても品番が異なるなど、転記ミスがありました。
trussを使用することで業務は圧縮され、転記ミスも減りましたね。

今後trussに期待すること

松本 3Dモデルをtrussに取りこんで、簡単に選定した製品画像が貼れると良いですね。施主が使い方を理解できていれば、施主と設計者がtrussを通してコミュニケーションがとれるといいと思います。


※本文中は敬称略になります。※インタビューは2022年2月に行われたものです。その他記載されている会社名、および商品名などは該当する各社の商標または登録商標です。


今回は様々な視点でtrussや建材についてのお話をお伺いしました。
trussは建材に関わる全ての方に役立つツールを目指しています!